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和歌山の梅酒、オーストラリア主要3都市で外食関係者向けセミナーおよび商談会を開催

By SCP編集部 in イベントレポート

和歌山県産梅酒の外食関係者向けセミナーおよび商談会「Wakayama Umeshu Tasting Tour Australia 2025」が、9月9日から11日にかけての4日間、オーストラリアの主要3都市(ブリスベン、シドニー、メルボルン)で開催された。

日本の中心部に位置する和歌山県は、国内有数の梅の産地として広く知られている。同地では、豊かな自然環境と長年にわたって継承されてきた職人の技に支えられ、個性豊かな梅酒が数多く生み出されてきた。地元の蔵元は互いに梅酒づくりの技を磨き、それぞれ独自の風味と個性を持つ逸品に誇りを持っている。

既存事業者、新規事業者の伴走支援型プロモーションイベント「Wakayama Umeshu Tasting Tour Australia」は、こうした和歌山産梅酒の魅力をオーストラリア市場へ発信すべく、2022年から継続的に開催されている。イベントは当初、「スポーツ × カクテル」というユニークな切り口をベースに、各都市の特性に応じた柔軟なアプローチを展開してきた。

本年度は趣向を変え、ブリスベンは日本食レストラン「Komeyui」、メルボルンは市内屈指の大規模施設「Marvel Stadium」、シドニーは革新的なスタイルで注目を集める「Prefecture 48」との連携により、イベントの中心的プログラムを実施。都市ごとに異なる市場ニーズや客層に配慮し、提供内容を適宜アレンジすることで、梅酒の需要喚起や応用用途の拡大を図る。特に、今後はカクテルとしての梅酒の可能性を提案することで、従来のイメージを超えた新たな魅力の訴求を目指していく。各都市の約90分間のセッションは、15分程度のミニマスタークラス、梅酒のテイスティング、各都市関係者との商談やネットワーキングの時間で構成されている。

本イベントに参加する和歌山県内の8蔵元はいずれも、長年の技術と創意工夫によって磨き上げられた梅酒を提供しており、それらの詳細や酒ソムリエ監修によるオリジナルカクテルレシピも併せて紹介される。家庭や店舗でのレシピの活用も歓迎され、和歌山の梅酒文化を身近に感じられる機会となった。

各会場では、以下の梅酒が提供された。

  1. 梅樹園 オリジナル梅酒「B」
    紀州南高梅の完熟梅と青梅を贅沢に使用した二段仕込み製法の梅酒。従来の梅酒とは違い、砂糖を減らして漬け込むことで完熟梅がもつ自然な甘さが感じられ、すっきりと爽やかな後味。
  2. みなべクラフト梅酒 「Yii (No.9)」
    和歌山県産ボタニカルを贅沢に使用した「榊ジン」がベースとなる、世界初のクラフト梅酒。梅の酸味とジンのスパイシーさが複雑に絡み合う、個性的な香りと味わいが特長。
  3. 河本食品 梅酒「遥」
    梅干し専門店による、本場紀州の完熟南高梅を使用した梅酒。長年培った製法で、仕上げにブランデーを少し使用し、風味豊かな甘さを控えたさらりとした味わい。
  4. MIYAYOSHI 「MIYAYOSHI No.06″」
    希少種の露茜100%で作られた、色鮮やかな紅色の梅酒。まろやかな舌触りと芳醇な香りで、果実のフレーバーが強くワインのような味わい。
  5. 中野BC 「紀州の梅酒とゆず」
    梅の甘味と酸味、柚子のスッキリした香りが味わえる梅酒。南高梅と柚子の果皮を使用した梅酒をベースに果汁を加えたシリーズ。梅と柚子の絶妙なバランスが特徴。
  6. プラム食品 「CRAFT LIQUEUR くまの」
    ジンベースの梅酒。柑橘類の香りを強く感じられる飲み口に仕上げたクラフトジンをベースに、紀州産南高梅を漬けた、豊かな香りと刺激的な後味。
  7. 有本農園 「Plumity Black」
    紀州みなべの南高梅を使用した、梅農家がつくる梅酒。雑味のないホワイトリカーと氷砂糖で漬け込み、まろやかさや芳醇さ、果実をそのままかじったかのような濃厚な梅の味わいが特徴。
  8. 吉村秀雄商店 「こいうめ酒」
    梅の果肉がとろりと濃い、濃厚さを極めた梅酒。完熟南高梅を漬けた後、取り出した果肉を丁寧に裏ごしして加えているため、梅の実の果肉感ととろりとした味わいが特徴。

なお、今回提供された8種類の梅酒は、メルボルン近郊のレストランバーやリカーショップの店頭で10月下旬から開催される「和歌山県産梅酒フェア」でも試飲販売される予定。こうした伴走支援型プロモーションイベントが、和歌山県産梅酒の関係者にとって市場開拓に向けた大きな一歩となることが期待される。

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